院長の部屋

半月板の治療について

2023年08月07日(月)
今回は、半月板の治療の話をします。
 
まず、スポーツなどの怪我(外傷)の場合は、痛みや引っかかり感が続くことが多く、手術が必要なことがあります。またロッキングなどで膝の動きの制限が出る場合は、通常手術が必要となります。
 
加齢による変性の場合は、多くが保存療法(鎮痛剤の内服、ヒアルロン酸の関節注射、リハビリなど)で軽快するので、まずは保存療法を試しましょう。3〜6ヶ月で改善がない場合は、手術が必要なこともあります。
 
手術は、「切除術」(=半月板を削る)と「縫合術」(=損傷部を縫合糸で縫い合わせ、元の形に戻す)の2つがあります。半月板の外側1/3は血管があるため、この部位での損傷は修復する可能性が高く、通常、縫合術の適応となります。半月板の内側2/3は血管が存在しないため、この部位での損傷は修復が難しく、通常、切除術の適応となります。
 
一方、半月板の温存は大変重要であり、将来の変形性関節症の予防にもつながることから、従来は切除術の適応であったものも、徐々に縫合術が試みられるようになってきております。
 
次回は、半月板の再生医療の話をしたいと思います。