院長の部屋


大阪大学時代に、開発に携わりました新しい関節軟骨再生治療の臨床研究についての論文です。ご興味のある方は、是非ご覧ください(誰でも自由にダウンロードできます)。 https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/23259671231189474?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%20%200pubmed

スポーツの怪我で、しばしば治療に難渋することもある疲労骨折に関して、最新の生物学的治療について解説してます。ご興味のある方は、是非ご覧ください。
https://www.bunkodo.co.jp/magazine/G5BLEIZ75W.html                                                   

 






 

半月板の治療について

2023年08月07日(月)
今回は、半月板の治療の話をします。
 
まず、スポーツなどの怪我(外傷)の場合は、痛みや引っかかり感が続くことが多く、手術が必要なことがあります。またロッキングなどで膝の動きの制限が出る場合は、通常手術が必要となります。
 
加齢による変性の場合は、多くが保存療法(鎮痛剤の内服、ヒアルロン酸の関節注射、リハビリなど)で軽快するので、まずは保存療法を試しましょう。3〜6ヶ月で改善がない場合は、手術が必要なこともあります。
 
手術は、「切除術」(=半月板を削る)と「縫合術」(=損傷部を縫合糸で縫い合わせ、元の形に戻す)の2つがあります。半月板の外側1/3は血管があるため、この部位での損傷は修復する可能性が高く、通常、縫合術の適応となります。半月板の内側2/3は血管が存在しないため、この部位での損傷は修復が難しく、通常、切除術の適応となります。
 
一方、半月板の温存は大変重要であり、将来の変形性関節症の予防にもつながることから、従来は切除術の適応であったものも、徐々に縫合術が試みられるようになってきております。
 
次回は、半月板の再生医療の話をしたいと思います。